C++ 初心者/入門/基礎
クラスってなんだろう?なにそれ美味しいの?

率直に言って、C++の言語仕様は少し取っつきにくいと思います。
その独特のクセに慣れるのが上達の早道。
クラスは上手く使うと大変便利な機能です。その便利さを知る前に挫折しないよう良書を活用しましょう。


C++クラスと継承完全制覇
矢沢 久雄
4774115738

★★★★★

 私は専門学校で先生もしていますが、そのC++の授業で実際に使っているのが本書です。

といっても私が選んだわけではなく学校指定のテキストだったので、最初は疑り深く眺めてました。すみません、とても良い本でした。矢沢さんの著書は本サイトでもいくつか取り上げていますが、これは一二を争う出来かもしれません(理由は後述)。

内容は構造体とクラスの違いから始まり、オブジェクト指向の三本柱(カプセル化、継承、多態)、オブジェクトの動的確保などがメインですが、バランス良くコンパクトにまとめているので挫折しにくくなってます。C言語経験者ならすんなり読めるかと思います。

クラスに慣れない人向けに図や現実世界の例を使ってイメージを助けつつ、C++のソースは最小限に抑えられ実行結果も全て載っているので、電車の中やリビングで読んでも学べる便利な一冊だと思います。

また息抜き?のコラムもかなりキレが良いです。ちょっとC++から距離を置いて客観的に内容を眺めるのに役立ち、意図してか偶然かは分かりませんが巧妙な構成になってます。

そして何より全編を通じて著者のメッセージを強く感じました。
「オブジェクト指向は道具であり目的ではないよ。それを取り違えるな。」
「各機能のメリットを理解し、必要ならば使おう。不要なら使わないのもアリだ。」
これらはまさしくその通りだと思います。
オブジェクト指向やデザインパターンを使っているつもりで、実は「逆に使われている」プログラムを私も多く目撃してきました。だから、その重みはとてもよく分かります。
プログラムを取り巻くリソースを把握した上で設計を検討しないと、机上の空論になっちゃいます。

そんなわけで本書は、C++やオブジェクト指向と共にプログラムの本質(ちょっと言い過ぎ?)も学べる大変お得な一冊です。
実際に謎ソースと格闘した経験があれば、実感が溢れるほど湧いてきますよ。

一応初心者向けですが、中級以上の方が読んでも得るものが大きいと思います。


新版 明解C++ 入門編
柴田 望洋
4797354542

★★★★

 C言語同様、C++でも定番の明解シリーズです。

図を用いて基礎から丁寧に書かれているのでC++の概念をイメージし易いです。どれ買えば良いか迷った時には、とりあえあずこれを選んどけばオッケー。C言語と同じようにまさしく明解な内容で、はじめのステップには最適な一冊です。

ただ演習問題の解答が載ってないので、下の「解きながら学ぶC++ 入門編」とセットで使うのがお勧めです。


解きながら学ぶC++ 入門編
柴田 望洋 由梨 かおる
4797334827

★★★★

 「新版 明解C++ 入門編」の演習問題の解答に加え、様々な問題を掲載しています。

問題の出題範囲が結構広いので、初級者のみならず中級者にも役立つ内容になっています。「論よりコード」でどんどん解いていけば、ある程度で「コツ」を体得できるようになります。
後は(どんな言語でもそうですが)「コツ」を磨いて理解を深めると、さらにプログラミングの面白くなって来ます。


プログラミング講義C++ (柴田望洋プログラミングシリーズ)
柴田 望洋
4797313366

★★★★

 紹介が最後になってしまいましたが、私はこの本でC++を学びました。今でも本棚に置いてあり、ド忘れした時などに本書を開いて確認してます。10年以上使っているコストパフォーマンスの高さが光る一冊。

印象としては、他の言語の知識を前提としてC++の内容を広く浅くカバーしている感じです。
ですから他の言語を何か習得しているとサクサク読み進められます。私の場合C言語を一通り学んだ後で本書を読みましたので、すんなりC++へ入って行けました。

なお上の二冊と同じく著者は柴田望洋氏です。
学生時代を思い出すと、柴田氏の著書にはCでもC++でも大変お世話になりましたね。





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