DirectX
長い歴史を誇るDirectX コロコロ仕様が変わってもPCゲームのスタンダードです

WindowsゲームといえばDirectX。いろんな学校のゲーム学科でも使用されてます。私も講師をやってます。
ただお約束や作法を知らないと、コイツは初心者の心を平気で折りやぁがります(体験談)。
プログラミング経験が浅い人は、いきなり初期化の長さで頭が爆発する事必至です(経験談2)。

初めての人にはマイクロソフトのヘルプは正直分かりにくいので、困った時に開ける本があると助かりますよ。

注意点ですが、DirectX9と10以降では仕様が大きく変わっています(更に言うと12でも…)。
だから書籍を選ぶ際はDirectXバージョンのチェックをお忘れなく。
このページでは、書籍名と一緒にバージョンとレベルを表記しています。

比較的使いやすいのはDirectX9です。10以降だと、初心者にはハードルが少し上がります。
9は世に出てから結構経ってますが、2016年現在でも多くのゲームで使われています。
私が教えている学生のゲーム会社向け就職作品でも、まだ圧倒的に9が多いですね。

で、じゃあ何を選べばいいの?って話ですが、私なりの意見は以下の通りです。

まずゲームプログラミング初心者の方、C言語に自身のないの方は…
ゲームプログラミング入門(DirectX9)をお薦めします。
この本でC言語を復習しつつ、ゲームのアルゴリズムを学ぶのが良いかと思います。
難しい事はみなライブラリに任せる構成なので、ほとんどDirectXを意識せずに読めます。

それを読み終えた方、あるいは何らかのゲーム・アプリを作った経験のある方は…
 ・ DirectX10/11プログラミングで10/11へ進むか、他のDirectX9書籍を選ぶ
 ・ もう勉強はいい、早くゲームを作りたい!なら、DXライブラリのようなゲームエンジンを使って開発を始める
というのが良いかと思います。

最近はOpenGLが巻き返しを強め、DirectXとの切迫した争いが始まっています。
しかしアルゴリズムや3Dの理論(行列、シェーディングとか)は、どんな技術でも共通です。
大事なのは根本の理論!これをしっかり押さえていれば、別にOpenGLでも問題なく対応できます。



DirectX10 / 11


DIRECT3D11必携
鎌田茂雄
4990500660

DirectX11 応用

★★★★★

 「DirectX9必携」のDirectX11版です。前作同様に「やりたい事」からサンプルソースが見付かる便利な一冊です。

今回はDirect3Dがメインになっており、様々なグラフィックス処理の実装例を学ぶ事ができます。プリミティブから始まり、シェーダー、バンプマッピング、環境マッピング、テッセレーション、シャドウマップ、当たり判定などDirectX11の機能を沢山学ぶ事ができます。必携の名に偽りなし。

DirectXは10以降で仕様が大幅に変わったので、今までの内容との相違点をまとめる意味でも本書は有益だと思います。実際に私は本書を使って知識をバージョンアップしました。また曖昧だった部分の補強にも役立ち、Webで検索してもなかなか分からない事柄も多かったので大変助かりました。
もちろんサンプルソースは公式サイトからダウンロード可能なので、すぐに動きを確かめられます。

前作と同じくゲームプログラミングの効率アップには欠かせない一冊です。

Amazonで品薄でも出版元直営オンラインショップで購入できます。


DirectX10/11プログラミング (ネイティブDirectX10/11の入門から応用まで)
鎌田 茂雄
4990500636

DirectX10/11 入門

★★★★★

 下で紹介しているDirectX9の「ゲームプログラミング入門」の著者による続編です。
「ゲームプログラミング入門」を読み終えた人のステップアップとして最適な内容になっています。

前作では独自のライブラリによってDirectXの処理をブラックボックス化していましたが、今作では徐々にその詳細へと踏み込んで行きます。また前作はDirectX9を使っていましたが、今回はDirectX10/11にバージョンアップしています。
扱う範囲は幅広く、3Dの基本からメッシュ(スタティック&アニメーション)、シェーダー、当たり判定、GPGPU、サウンド(XAudio&XACT)、入力(キーボード、マウス、コントローラ)、3Dゲームの実装サンプルなど多岐に渡ります。

サンプルソースは全て出版元のサイトからダウンロードできます。まずは書籍を読みながらこれらをいじくり回してみるのがオススメです。
その中でも24章の3Dゲーム実装サンプルは本書で取り上げた内容を一通り含んでいるので、カスタマイズして遊んだりオリジナルゲームの雛形にすると良いかと思います。

重要なポイントを簡潔にまとめてあるので、長く使えるゲーム開発の友になるでしょう。
あと最初にも触れましたが本書は2冊目のステップアップとして書かれているので、初心者の方は「ゲームプログラミング入門」から読み始める事をオススメします。
過去に何らかのゲームやアプリを作った経験がある人は、こちらからでも良いかもしれません。

なぜかAmazonで値上がりしている時は出版元直営オンラインショップで購入すると良いです。電子書籍版もあります。



DirectX9


ゲームプログラミング入門
鎌田 茂雄
499050061X

DirectX9 入門

★★★★★

 一言で言うと「すごく分かり易いゲームプログラミング入門」です。

下で紹介している「DirectX9必携」や「はじめての3Dゲーム開発」と同じ蒲田茂雄氏の著作です。こちらは更に分かり易くなっているので、C言語初級者にもオススメできます。

本書は「まず2Dでシューティングゲームを制作し、その後同じ事を3Dで制作する」という極めて斬新なアプローチを取っています。これが両者の共通点を本当に巧〜くまとめて書かれており、超絶に驚きました。
さらにアルゴリズムやエフェクトにも踏み込んで、この一冊でゲームプログラミングの基礎&エッセンスを大分把握できると思います。

DirectXの面倒な初期化部分は独自のライブラリを使って簡略化し、ゲームプログラミングの敷居を殆どゼロにしているのもポイントです。相変わらず蒲田氏の高い構成力には脱帽するしかありません。

前書きによると専門学校の1年生を想定して書かれたとの事。
私も専門学校で講師をしてますが、「この本の方が、私の講義より分かり易いのでは?」とリアルに戦慄を覚えた一冊です。


DirectX9必携
鎌田 茂雄
4990500601

DirectX9 応用

★★★★★

 かつて「DirectX逆引き大全」として出版されていた書籍の改訂版。「やりたい事」からすぐにサンプルソースが見付かる便利な一冊です。

ちなみに扱っている項目の数は、実に418個!3Dグラフィック、当たり判定、カメラワーク、3Dサウンド、コントローラー、各種エフェクトなどなど
基礎から応用まで幅広い内容なので、DirectXを使う全ての人に役立ちます。正に必携です。

本書があれば、不明点の調査や検索に費やす時間を大幅に節約でき、ゲームの開発効率が格段に上がります。また私の場合、ド忘れしていたり理解が曖昧だった事柄の復習にも大いに役立ちました。

上で紹介している「ゲームプログラミング入門」のソース(やライブラリ)とは、変数名が同じだったりと親和性が高いので、併せて利用すると強力な武器になるでしょう。

追記:残念ながら絶版になったようですが、電子書籍版(PDF)が入手可能です。


はじめての3Dゲーム開発
「DirextX9」の使い方から「1人称3Dフィールド・ゲーム」の制作まで (I・O BOOKS)


鎌田 茂雄
4777511111

DirectX9 入門

★★★★★

 DirectXの入門書でありながら、とても実践的な内容になっている凄い本。著者の構成力に脱帽です。

3D物体の表示&移動、エレガントなコードの書き方、セーブ&ロード、ビルボード、衝突判定、経路探索、通信対戦などなど
わずか300ページで多くの事柄を分かり易く解説しています。

押さえる所は押さえ、省く所は省いて書かれていますが、そのバランスが絶妙に上手く思わずうなってしまいました。私は専門学校で講師をしているので、著者のティーチングスキルの高さには驚愕します。

付属のCD-ROMも豊富なサンプルソースや便利ツールが収録してあり、正直この値段は安過ぎる!と思いました。もちろん内容は初心者向けに親切に書かれているので、既存のDirectX入門書で挫折した人に是非試して欲しい一冊です。

※ここでいう初心者とは「DirectX」の初心者なので、プログラミングはある程度出来る事が前提です。
目安としては、C言語の基礎を理解しているくらい(初級者〜中級者)です。


DirectXゲームグラフィックスプログラミング Ver. 2.0
N2Factory
4797329807

DirectX9 入門

★★★★★

 DirectXの書籍は難解で読む気が失せるものが多い中、この本はかなり分かり易く書かれているので入門に最適です。DirectX独自の謎関数や謎定数も丁寧に解説してあり、初心者にかなり親切な内容になってます。

注意点としては、本書はあくまで「DirectGraphics」のみ扱った本なので、サウンド再生やゲームパッド入力を学ぶには、他の書籍やネットを併用する必要があります。
あと、Vistaに対応した改訂版( Ver. 2.1 )も出ていますが、ここではユーズド価格の安いVer2.0の方を紹介しています。

※ここでいう初心者とは「DirectX」の初心者なので、プログラミングはある程度出来る事が前提です。
目安としては、C言語の基礎を理解しているくらい(初級者〜中級者)です。


DirectX9実践プログラミング Windows Vista対応版
477751272X

DirectX9 応用

★★★★

 毎度お馴染み?工学社のDirectX本。

DirectXの機能を広く浅く学べる一冊です。
グラフィックは勿論、サウンド再生やキーボード・ゲームパッド入力など、ゲームに必要な機能はほぼ網羅しています。

これ一冊では挫折する可能性があるので、上の書籍達と組み合わせて使えば幸せになれるかもしれません。
また、C言語の基礎を理解したうえで読むのが良いかと思います。




Direct3Dプログラミングガイドブック
清水 亮
4881355430

DirectX5

★★★

 10年以上前に書かれた(DirectXのバージョンは5.0!)大変古い本です。
普通に考えると今では読む必要の無い書籍です。

ではなぜ、ここに載せたのか?
それは、1章のDirectXの歴史(当然5.0までだけど)や、3章の3D基礎概念の説明が非常に秀逸だからです。

ユーズド価格も安価なので、この2つの章を読むだけでも十分元は取れると思います。





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