ソフトウェア工学
みんなデスマーチは嫌だ 楽しく仕事をしたい

 

ピープルウエア 第3版
トム・デマルコ ティモシー・リスター 松原友夫
4822285243

★★★★★

 プロジェクトの中の「人間」に焦点を当てた超良書です。

プログラマの立場から見れば「そうそう!」と思わず声を上げてしまう事柄の連続。
創造力が必須の筈のソフトウェア開発なのに、現実には創造力を妨げる因子がなんと多いことか。
しかし、この本からそれを乗り越える為の力を貰った気がします。

経営者、管理者はもちろん、「最近仕事が嫌になって来た」「忙しすぎて心に余裕が全く無い」と感じている人に是非読んで欲しい一冊です。


デッドライン
ソフト開発を成功に導く101の法則

トム デマルコ Tom DeMarco
4822280535

★★★★

 プロジェクト管理における101の法則を纏めた一冊ですが、なんと小説仕立で描かれています。

ストーリーは…リストラされた主人公が謎の女(実はスパイ)に出会い、架空の国モロビアへ拉致され、そこで巨大プロジェクトのマネジメントを行う事になり…という導入で始まります。
その後、物語が進むにつれ様々な出来事が起こり、そこから法則・教訓が順に導き出される筋です。

なお上記ピープルウェアの思想が貫かれているので、続編といっても良い内容です。
ピープルウェアと同様に、ただの数字ではない「人」を大切にするデマルコの考えが随所に見られ、読んでいて楽しく、それでいて得るものが多かったです。

やっぱりデマルコは凄い人です。講演があれば是非行きたいですね。


ゆとりの法則
誰も書かなかったプロジェクト管理の誤解

トム・デマルコ 伊豆原 弓
4822281116

★★★★

 この本の原題は「Slack」。
「Slack」とは、「無駄な」とか「怠惰な」などネガティブな意味を持つ単語です。
しかし本書でデマルコは、Slackこそが組織にとって重要で欠かせない「ゆとり」だと語っています。
「ゆとり」をもっと具体的にいえば、「暇な時間」や「何もしていない時間」が当てはまります。

効率を求め過ぎるあまり「ゆとり」を排除すれば、変化に対して対応できない組織になってしまう。
だから「ゆとり」を無駄だと考えず、健全なものとして有意義に使う必要がある。
すなわち、ただ忙しいだけの組織には未来は無い。

というのが、本書で語られる基本的な考えです。
デマルコはこの考えを、ユーモラスな例えを交えながら深く教えてくれます。
私自身も、いくつか思い当たり耳の痛い話がありました…

「毎日毎日忙しい日々を送っている」と感じている人にオススメしたい一冊です。


人月の神話
フレデリック・P・ブルックス Jr. 滝沢 徹
4864010056

★★★★

 原著は1975年発行というソフトウェア工学の古典的名著。
30年以上も前の本ですが、書かれている内容は今日でも全く色褪せない事柄ばかりで驚かされます。

有名な"ブルックスの法則"の一つ「遅れているプロジェクトへの人員追加は、更なる遅れを生む」は至る所で引用されており、誰でも一度は耳にした事があるのでは。

管理する側・される側を問わずに多くの人に読んで欲しい良書の中の良書です。





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