今回のランキングの特徴として、以下の二点を挙げたいです。
1、C言語の増加
2、DirectX9の奮闘
まず、今回はC言語が目立ちました。前回ランクインしたのは2冊だったのが、5冊に増えています。
特に10位のK&Rには驚きました。確かに良い本ですが、なにぶん古い内容で人を選ぶのでランクインするとは予想外でした。
私は使い勝手に優れる近代言語(C#、Pythonとか)も好きですが、C言語のような低水準処理を意識できる環境も大事だと考えています。だからこの結果は素直に嬉しいですね。
ハードウェアをブラックボックスではなく実体として把握する、これはどんな開発でも忘れちゃならない点です。
目の前のパソコンを動かしているのは魔法でも妖精さんでもなく、徹頭徹尾に渡って論理的な仕組みです。
それを知るのには14位の「思考する機械コンピュータ」が良いテキストになるでしょう。
DirectX9関連本が相変わらず人気でした。2016年現在DirectXはバージョン12まで発表されていますが、まだまだ9の人気は根強いです(前回も似たようなこと書きました)。
実際私が講師をしている学校でも9がメインで、企業への就職作品も9で作るケースが多いです。
この傾向がいつまで続くか分かりませんが一つ確実に言えるのは、DirectXもOpenGLも所詮は道具に過ぎません。
バージョンが上がって仕様がガラリと変わっても焦らない為には、根っこになる3Dやグラフィックスの理論を押さえておくのが重要です。
どんなにAPIが違っても、ランバートの拡散反射式は一緒だし、オイラー角ではジンバルロックが起こるし、エッジ抽出アルゴリズムは変わりません。
道具の使い方に終始せず、こういった環境を超えて使える知識を深めるのが上達への一番の近道だと思います。
以上を一言でまとめると
ハードウェアとアルゴリズムの理解は超重要!
ベテランプログラマの方なら御賛同いただけるかと思います。
私自身も初心にかえって、サイトのコンテンツはもちろん、学生にもこのメッセージを伝えて行きたいです。
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