サイト内書籍 人気ランキング 2016

2016年のランキングを集計しました。
計測方法はAmazonでの注文数に基いてます。ユーズド(中古)も含めてカウントしています。

前回のランキングはこちら
まず分析は後にして結果だけ

順位 書 籍 名
1 DirectXゲームグラフィックスプログラミング Ver. 2.0
2 ゲームプログラマになる前に覚えておきたい技術 
3 ゲームプログラミング入門
4 新・C言語入門 シニア編
5 C言語ポインタ完全制覇
6 はじめての3Dゲーム開発「DirextX9」の使い方から「1人称3Dフィールド・ゲーム」の制作まで
7 [完全版] 究極のC#プログラミング 新スタイルによる実践的コーディング
8 C#の絵本
9 パズルゲームアルゴリズムマニアックス
10 プログラミング言語C 第2版 ANSI規格準拠
11 リーダブルコード より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック
12 叫ぶ!Cプログラマ―プロが説くCのカラクリと落とし穴
13 シューティングゲーム アルゴリズムマニアックス
14 思考する機械コンピュータ
15 エキスパートCプログラミング 知られざるCの深層

では一冊ずつ見ていきましょう

第15位

エキスパートCプログラミング 知られざるCの深層
ピーター ヴァン・デ・リンデン Peter van der Linden
4756116396

C言語 中級〜

前回:−

いきなり私が一番好きなC言語本です。
ユーモアたっぷりに言語仕様の根本を紐解いてくれます。

アマとプロの差は、「とにかく動けばいい」ではなく「なぜ動くのか?」を知る事。その為の一冊。

第14位

思考する機械コンピュータ (サイエンス・マスターズ)
ダニエル ヒリス W.Daniel Hillis
4794209924

コンピュータサイエンス入門書/仕組み

前回:11位

前回に続いてのランクイン。コンピューターの原理をここまで分かり易く話すとか、やっぱダニエル・ヒリスは天才だなあ。

最近世間は「ただのデータ処理でもとりあえず人工知能って呼んどけ」な流れですが、ちゃんと本書で基本を知って欲しいですね。

第13位

シューティングゲーム アルゴリズムマニアックス 新装版
松浦 健一郎 司 ゆき
4797359978

ゲームアルゴリズム

前回:13位

シューティングはゲームプログラミングの基本。
APIは時代と共に変わりますが、アルゴリズムは普遍的です。

本書のアルゴリズムはRPGやアクションの攻撃やエフェクトにも使えるので、なかなかコスパ高いです。

第12位

叫ぶ!Cプログラマ―プロが説くCのカラクリと落とし穴
藤本 裕之
4881663763

C言語 中級〜

前回:−

なんかマイナーなのが来たぞ。
こういう知られざる良書を紹介するのが私の楽しみなので、大変嬉しいです。

毒の効いたユーモア、一見関係なさそうだが深い寓話や引用。
読むほどに著者の知的な奇人ぶりが伝わっ来ます。良い意味でF○CKな一冊。

第11位

リーダブルコード
より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック

Dustin Boswell Trevor Foucher 須藤 功平
4873115655

プログラミングテクニック

前回:−

みんな大好き薄い本だ(意味深)。わずか200ページ強ながら、良いソースを書く為のノウハウが満載。持ち運びもラクラクで嬉しい。

タイトル通りすぐに実践できるものが多いので、読んだその日からプログラミング戦闘力が上昇!しますよ。

第10位

プログラミング言語C 第2版 ANSI規格準拠
B.W. カーニハン D.M. リッチー 石田 晴久
4320026926

C言語 中級〜

前回:−

ベストテンにまさかの凄い奴が来やがったぜ。歴史の生き証人ことK&Rだー。

初版はなんと1978年!まだまだ売れ続ける超ロングセラー。ちなみに発行部数は日本だけでも80万部超!
前回は圏外だったのに一体何があったんた…

「やさしい入門」が大してやさしくない、誤解しそうなポインタと配列の説明、ポインタ演算ヒャッハーなど、定番の?ネタも一杯です。

第9位

パズルゲームアルゴリズムマニアックス
松浦 健一郎 司 ゆき
4797347090

ゲームアルゴリズム

前回:−

前回ランク外から一気にベストテン入り。姉妹書達(シューティング、アクション)を一気に抜き去りました。
スマホが普及し、いつでもどこでも遊べるパズルゲームの需要が上がったのかな?

このシリーズのサンプルは本当に役立ちます。サンプルをベースにして作品を作り、ゲーム会社へ入った学生多し。

第8位

C#の絵本
(株)アンク
4798114618

C# 初心者/入門

前回:8位

図解やイラストが豊富な絵本シリーズ。

文字だけだとイメージが掴めずイライラする概念を、くどいくらいに絵を載せて(絵本なので)解説しています。
他の入門書とは一線を画した黒板を見るような安心感があります。

贅沢を言えば、他の絵本シリーズに比べるとやや抽象的なのが惜しい。近代言語はレイヤーが深いから仕方ないですが。

第7位

[完全版] 究極のC#プログラミング
新スタイルによる実践的コーディング

川俣 晶
4774138622

C# 中級〜

前回:12位

川俣さんの著書は、ズバズバホイホイサクサクと事例を紹介して行くので小気味いいですね。

クラスの限界(というかオーバースペック)を指摘し、改めてクラスの役割を考え直す。その契機となる極めて実践(実戦)的な一冊。
最近の軽量言語の人気ぶりを見ると本書の事を思い出します。

第6位

はじめての3Dゲーム開発
「DirextX9」の使い方から「1人称3Dフィールド・ゲーム」の制作まで

鎌田 茂雄
4777511111

DirectX(9)

前回:1位

前回トップからランクダウンしたとは言え、相変わらずの人気を見せていますね。

とにかくこの本は密度が濃い!
多くの使えるテクニックをたった300ページに詰め込んでいます。

紹介しているアルゴリズムは、DirectXだろうがOpenGLだろうが関係なく使えるので末永く便利。付録のサンプルソースも充実していて、作品をつくるベースに使えます。

第5位

C言語ポインタ完全制覇
標準プログラマーズライブラリ)
前橋 和弥
4774111422

C言語 中級〜

前回:−

私も学生時代お世話になったロングセラー。

ポインタの説明というより、「ポインタの分かりにくさ」をこれでもかと掘り下げる唯一無二の存在です。
私は本書を読んだ事により、どんな言語を使う時でも「なぜ、こんな言語仕様になっているのか?」を考える癖が付きました。

「とりあえず動けば満足」のレベルではなく、「どうして動いているのか?」を把握できるプログラマーになりたい人は是非。

第4位

新・C言語入門 シニア編
(C言語実用マスターシリーズ)

林 晴比古
4797325623

C言語 中級〜

前回:−

これまた学生時代からの思い出深い一冊です。今も絶賛使用中。

ド忘れした時、とりあえずパラパラめくって調べるのに便利です。
一通りの事をカバーし浅過ぎず深過ぎない説明、短く実行結果が分かり易いサンプル。
そんな手堅さと実用性の高さが魅力です。

もちろん学習本としても優秀なので、これからも売れ続けるでしょうね。

第3位

ゲームプログラミング入門
鎌田 茂雄
499050061X


DirectX(9)

前回:5位

普段からゲームプログラミングを教えている身としては納得の高ランク。

私は学生から「何か良い入門書ありませんか?」と聞かれたら、即座に本書を挙げています。
ゲームプログラミング初心者が、その本質を学ぶには最適の一冊です。本質って何?と気になった方は是非。

本書で使用しているライブラリ(ゲームエンジン)は知名度こそ低いですが、巧妙な設計と便利な機能を備え、完成度が極めて高いです。

第2位

ゲームプログラマになる前に覚えておきたい技術
平山 尚(株式会社セガ)
4798021180

ゲームアルゴリズム

前回:2位

前回から連続トップスリーに輝いたのは本書だけでした。
和書でここまで解説してる本ってなかなか無いですからね。

実は「なる前に」と書いてありながら、「なった後」でも使える知見の深い一冊。
逆に言うと、読者は分からなくても気にしなくて良いって事です。実務経験が無いと正直ピンと来ないトピックもあったりします。
最初から全て理解するのではなく、躓いたら飛ばす。そうやってどんどん読み進めて行きましょう。
飛ばしたトピックも経験を積むことで腑に落ちて来ます。

一つだけ欲を言えば、サンプルプログラムの見た目がもう少し派手だといいなあ。。。
内容とは関係ないですが、学習のモチベーションに直結するので。

第1位

DirectXゲームグラフィックスプログラミング
N2Factory
4797329807

DirectX(9)

前回:−

なんと前回ランク外から一気にトップを奪いました。
Direct3D(DirectX9)の使い方を一番シンプルかつ実用的に著したのが本書です。

DirectXの解説本は得てして大仰で分厚くなりがちです。
そんな中で本書は対象をグラフィックスのみに絞り、最低限の説明で詳細には立ち入らない構成で、読者を挫折させない配慮がうかがえます。

その「最低限の説明」がとても分かり易く、それでいて核心を突いていると感じました。
だから難しい数学の話を出さずとも上手く解説を進めています。

特筆すべきは各種エフェクトを扱う章、視覚的にインパクトのあるサンプルが揃っていて本書の真骨頂です。


総 評
今回のランキングの特徴として、以下の二点を挙げたいです。

1、C言語の増加
2、DirectX9の奮闘



まず、今回はC言語が目立ちました。前回ランクインしたのは2冊だったのが、5冊に増えています。
特に10位のK&Rには驚きました。確かに良い本ですが、なにぶん古い内容で人を選ぶのでランクインするとは予想外でした。

私は使い勝手に優れる近代言語(C#、Pythonとか)も好きですが、C言語のような低水準処理を意識できる環境も大事だと考えています。だからこの結果は素直に嬉しいですね。
ハードウェアをブラックボックスではなく実体として把握する、これはどんな開発でも忘れちゃならない点です。

目の前のパソコンを動かしているのは魔法でも妖精さんでもなく、徹頭徹尾に渡って論理的な仕組みです。
それを知るのには14位の「思考する機械コンピュータ」が良いテキストになるでしょう。


DirectX9関連本が相変わらず人気でした。2016年現在DirectXはバージョン12まで発表されていますが、まだまだ9の人気は根強いです(前回も似たようなこと書きました)。
実際私が講師をしている学校でも9がメインで、企業への就職作品も9で作るケースが多いです。

この傾向がいつまで続くか分かりませんが一つ確実に言えるのは、DirectXもOpenGLも所詮は道具に過ぎません。
バージョンが上がって仕様がガラリと変わっても焦らない為には、根っこになる3Dやグラフィックスの理論を押さえておくのが重要です。

どんなにAPIが違っても、ランバートの拡散反射式は一緒だし、オイラー角ではジンバルロックが起こるし、エッジ抽出アルゴリズムは変わりません。
道具の使い方に終始せず、こういった環境を超えて使える知識を深めるのが上達への一番の近道だと思います。


以上を一言でまとめると
 ハードウェアとアルゴリズムの理解は超重要!

ベテランプログラマの方なら御賛同いただけるかと思います。
私自身も初心にかえって、サイトのコンテンツはもちろん、学生にもこのメッセージを伝えて行きたいです。






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